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薄い布団にくるまってまどろみながら、桜子は修哉がベッドから抜け出す気配を感じた。


トイレだろうか?


そう思い、重たい瞼をこじ開けようとする。


だけど瞼の重さには勝てずに、結局夢の中へと引き込まれていきそうになる。


「なんだ?」


修哉の声が桜子の瞼を軽くした。


「修哉――」


トイレじゃなかったの?


と聞こうとして、言葉を失う。


テーブルに置きっぱなしにしていた手紙を開けているのだ。


「修哉、なにしてるの!?」


慌てて駆け寄り封筒を奪い取る。


が、中身はすでに修哉の手の中にあった。


開けられてしまった。


祭りかもしれないのに。


その手紙には祭りのことが書かれているのかもしれないのに。


急激に不安になっていく桜子。


修哉は真剣な表情でその紙切れを持っていた。