「それなのに、おばあさんは怖がってたの?」


「あぁ。その手紙の中にはいつも祭りに関することが書いてあったり、入っていたりしたからな」


「やっぱりそうなの? この手紙にも祭りに関係しているものが入っているの?」


「それは開けてみなきゃわからないよ。怖がるばかりじゃ、中身の確認もできないだろう」


そうれはそうだ。


そうだけど……。


手の中の封筒をジイッと見つめる。


今にも封が開いて金魚が飛び出してきそうに思う。


「怖くても、おばあさんは毎回ちゃんと手紙を開けていたよ」


「私も、ちゃんと開けるべき?」


「さぁ、それは桜子に来た手紙だから、自分で決めなきゃいけない」


しばらく手紙とにらめっこをしていた桜子だが、「ただいま」という修哉の声でハッと我に返った。