桜子に再び手紙が届いたのはその日の夕方のことだった。


昼を修哉に作らせてしまったから夜はお礼もこめて豪華な食事にしようと台所へ立っていたときのこと。


キッチンにロボット伝書鳩がやってきて手紙を落としていったのだ。


桜子は伝書鳩の腹辺りをくすぐるように撫でて、手紙を受け取ったという事を知らせる。


すると、箱は部屋の中を一回転して家を出て行った。


「また手紙だわ」


白い封筒を手に取り、呟く。


チラリと、ゴミ箱に目をやる。


捨てた手紙と全く同じ紙だ。


という事は、きっと同じ人物から。


桜子は料理の手を止め、手紙を持って椅子に座った。


初めて手紙が来た時はウキウキしていたのに、今は開けてみるのが億劫だ。


また祭りにまつわるものかもしれないし。


封を開けれずにそうしていると、夕食の匂いをかぎつけてかおじいさんがやってきた。