コンピューターは再び動き始め、桜子の両親の写真を一枚一枚写していく。


「もういいわ。消して」


桜子はため息を吐き出してクッションを抱きしめ、顔を埋めた。


おばあさんの写真はもうないのかもしれない。


たった5年見ないだけでデータを消すシステム、なんとかしなきゃ。


そう思い、また額に手を当てたのだった。