「聞いたかい? この前雪山さんが夜中にシャワーを浴びているのが水神様にバレて大変な事になったって」


先に部屋へ戻る私の後方からネチネチと修哉のお説教が続く。


修哉との付き合いはもう長い。


親が生きていた頃からずっと一緒に暮らしているから、もう家族同然だ。


なのに、修哉ときたらいつまでも私を1人の《女の子》としてみている。


過保護なのだ。


「じゃぁおやすみね、修哉」


「おい、まだ話しが――」


言いかける言葉を、強くドアを閉じて遮った。


水神様。


必要のないときに水を使っていると現れ、罰を与えるといわれている神様だ。
私は砂漠の上に立つ建物しか知らない。