子供を産まない人が増えたから軍隊は絶滅した。


というのが一番の理由らしいが、産まないのではなく産めないのだとドクターは言っていた。


女も男も、性交渉を快楽としてしか認識しなくなってから、神様は人間に生命を託すという事をほとんどしなくなった。


だから、ロボットが次々と溢れかえる世の中になる。


桜子はふと思うのだ。


もしかしたら修哉もロボットなのではないか?と。


その肌に触れて、唇にキスを落としてようやく安心する事も多い。


桜子はベッドに仰向けに寝転び、自然と自分の額に手を当ててから、「あ」と気づく。


「クセだわ……」


熱が出た時にだけ額に手を当てていた気がするのに、どうやらそうでもなかったらしい。


無意識の内に額に手を当てて眠っていたり、考え事をしているみたいだ。