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《来週、ついに祭り戦争が始まります。戦争は日本の首都を中心として地方へと広がっていくでしょう。


各家に設置されている戦争回避用のシューターの点検をし、不備があれば生活保護センターに連絡をしてください。


今回の祭り戦争は大きなもので都道府県まるまる1つ飲み込んでしまう大きさがあります。


くれぐれも巻き込まれないように注意してください――》


ロボットのアナウンサーの声が響く。


桜子はベッドの上で毛布にくるまりその様子を見つめる。


画面は去年の祭り戦争の映像に切り替わり、シューター内でパーティーを開く家族がカメラへ向けて手を振っていた。


シューター内にいれば安全安心。


そんなCMを見ているような気分になる。


昔は戦争に立ち向かっていく軍隊というものが存在したらしいが、人の命がどんどん消えていってしまう仕事なんて今では考えられない。