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食事を終えると修哉はすぐに仕事部屋へと戻っていった。
午後からの会議は他国とも中継を繋ぐらしく、気合を入れて新しいスーツに着替えてのご出勤だ。
「行ってらっしゃい」
部屋の前まで来て、修哉に後ろからそう声をかける。
「あぁ、行ってくるよ」
微笑み、キスをして部屋に入る修哉。
それを見計らったかのように、「桜子」と名前を呼ばれ、振り向いた。
「さっきの手紙なんだが、見せてくれないのかい?」
「手紙……ごめんなさい。捨ててしまったの」
「捨てた? なぜ?」
「だって……なんだか、怖くて。金魚って祭りと関係があるんでしょう? そう思うと、どうしても怖くて」
「そうか……おばあさんも祭りを怖がっていた」
思い出すように、空中へ視線を投げ出すおじいさん。
「そうなの?」
桜子は修哉のおばあさんを知らない。
食事を終えると修哉はすぐに仕事部屋へと戻っていった。
午後からの会議は他国とも中継を繋ぐらしく、気合を入れて新しいスーツに着替えてのご出勤だ。
「行ってらっしゃい」
部屋の前まで来て、修哉に後ろからそう声をかける。
「あぁ、行ってくるよ」
微笑み、キスをして部屋に入る修哉。
それを見計らったかのように、「桜子」と名前を呼ばれ、振り向いた。
「さっきの手紙なんだが、見せてくれないのかい?」
「手紙……ごめんなさい。捨ててしまったの」
「捨てた? なぜ?」
「だって……なんだか、怖くて。金魚って祭りと関係があるんでしょう? そう思うと、どうしても怖くて」
「そうか……おばあさんも祭りを怖がっていた」
思い出すように、空中へ視線を投げ出すおじいさん。
「そうなの?」
桜子は修哉のおばあさんを知らない。