真っ白なダイニングテーブルに腰を下ろすと、ちょうどおじいさんが部屋から出てきたところだった。


額に手を当てて眉間にシワを寄せている桜子を見て、瞬きを繰り返す。


そんなおじいさんの視線に気づき、桜子は顔をあげた。


「さぁ、今日はコンソメスープにハンバーグだ」


修哉はそう言いながら3人分の皿をそれぞれの場所に置いていく。


その上にあるのは小さなカプセルが2つずつ。


「これは驚いた、桜子か」


修哉が食事の準備してくれたのに、おじいさんは桜子から目を離さず神妙な顔つきをしてみせた。


「なに? 私が、なにか?」


「いや、おばあさんもよくそうやって悩み事をしていてな。つい昔の姿を思い出したんだ」


そう言って、小さく微笑むとカプセルと1つ口の中へ放り込んだ。