「おかしいのよ、私」


「そう。それって祭りのこと?」


「そうなの、祭りのこと」


コクコクと、何度も小さく頷く。


ソファに座るとその人物の感情や思考がスクリーンの中のロボットへと伝わる。


暇つぶしの会話をしてくれる時もあるし、高ぶった感情を抑えてくれる時もある。


今はロボットの精神科医のようなものだ。


「落ち着いて。祭りはもう存在しないんだから」


「わかってる……」


ソファの横の床からまるいテーブルが出てきて、そのテーブルの中からはジュースが出てきた。


「わかってるんだけど、でも、どうしても」


祭りの話をしているだけで手に汗がにじみ出る。