桜子と修哉の他にこの家に一緒に暮らす人物がいた。


それは今年で150歳を迎える修哉のおじいさんだ。


おじいさんは100歳という中年になってから修哉の父親を授かり、それと同時に連れ添っていたおばあさんを亡くした。


95歳という短命でこの世を去ったおばあさんの為にも男手1つで修哉の父親を育て上げ、120歳の定年退職と共に孫たちと一緒に暮らし始める事になった。


最初は孫の将来のお嫁さんの家で一緒に暮らすなんて。


と、古臭い事を考えていたが、桜子の笑顔がどうにも死んだおばあさんと被ってしまい断ることができなかった。


「150にもなると腰にこたえる」


白髪まじりのおじいさんは真っ白なベッドから起き上がって腰を伸ばした。


バキバキと音がして、その度に表情をゆがめる。


おじいさんの部屋は一階のリビングの隣にあった。