うわっ!


と声を上げてベッドから飛び起きると全身グッショリと寝汗をかいていた。


「なんて夢なの」


桜子は呼吸を整え、濡れた前髪をかき上げながら呟いた。


ヨイヤッサー ヨイヤッサー。


あの祭りの歌声が今でも耳の中でこだましている。


ブルリと身震いをしてベッドから抜け出すと、そのまま部屋を出て階段を下り、バスルームへと入っていった。


25歳の桜子はこの一戸建てに親と共に住んでいた。


が、その親は数年前交通事故で他界。


幸い家のローンはすべて払ってしまった後だったので、こうして今も変わらず生活を続ける事ができている。


少し冷たいシャワーを頭から浴びて体の熱を冷ます。


桜子は祭り戦争の夢でうなされた時、必ずと言っていいほど体温が上昇しているのを感じる。


恐怖から?


きっとそうだ。


そうに違いない。