「変なの」
クスッと小さく笑ったのは、テレビでロボットたちが水神様に水をかけていた場面を思い出したから。
その後ロボットたちはそれぞれの部品をひとつずつ取られて、方向感覚を失い、ぶつかり合っていた。
桜子は手紙を引っ張り出すと、しばらくそれを物珍しそうに眺め、それから開いた。
「わ……綺麗」
和紙には金魚が涼しげに泳いでいる姿が真ん中に大きく描かれていて、その上に文字が書いてあった。
「すごい、これペンを使ってるんだわ」
そっと文字の上を指先で撫でてみる。
少し濡れた感覚があって見ると、インクが指についていた。
ついさっき書いたばかりという感じだ。
こすったため滲んだ文字に目をパチクリさせて「不思議、文字が変化したわ」と、小さく呟く。
そうやって好きなだけ手紙を観察し終えた後、桜子はようやく文字に集中し始めた。
その手紙に書かれていた内容はこうだ。
《拝啓 桜子様。
突然のお手紙申し訳なく感じておりますが、用件だけお伝えします。
あなたは何かを忘れてはいませんか?
早々》
クスッと小さく笑ったのは、テレビでロボットたちが水神様に水をかけていた場面を思い出したから。
その後ロボットたちはそれぞれの部品をひとつずつ取られて、方向感覚を失い、ぶつかり合っていた。
桜子は手紙を引っ張り出すと、しばらくそれを物珍しそうに眺め、それから開いた。
「わ……綺麗」
和紙には金魚が涼しげに泳いでいる姿が真ん中に大きく描かれていて、その上に文字が書いてあった。
「すごい、これペンを使ってるんだわ」
そっと文字の上を指先で撫でてみる。
少し濡れた感覚があって見ると、インクが指についていた。
ついさっき書いたばかりという感じだ。
こすったため滲んだ文字に目をパチクリさせて「不思議、文字が変化したわ」と、小さく呟く。
そうやって好きなだけ手紙を観察し終えた後、桜子はようやく文字に集中し始めた。
その手紙に書かれていた内容はこうだ。
《拝啓 桜子様。
突然のお手紙申し訳なく感じておりますが、用件だけお伝えします。
あなたは何かを忘れてはいませんか?
早々》