☆☆☆

「桜子?」


ハッと目が覚めれば、そこはいつもの部屋の中だった。


修哉が不安そうな顔で桜子をのぞきこんでいる。


「私……」


「まだ、寝てた方がいいよ」


そう言って舌に触れ、熱を測る。


「うん平熱」


シェルターに入ったから早くよくなったんだ。


そう言っているように満足そうに微笑み、水を差し出してくれる。


桜子はそれを手に取ろうとして、やめた。


水神様の笑顔が脳裏を過ぎったから。


「落ち着いてからでいいけど、手紙が来てたから読んでおくんだよ?」