「お姉ちゃん、一緒にお祭りしようよ」


少女が桜子の手を掴んだ。


「いやっ!」


その手を振り解き、後ずさりする。


祭りは近づく。


血が沸いたように熱くなる。


これは恐怖心なのよ。


怖い怖い怖いよぅ。


ズルッと水の塔から足がすべった。


あっという暇もない、桜子は後ろ向きに水の塔から落ちていく。


あぁ……落ちる落ちる落ちる――。


笑ってこちらへ手を伸ばそうとする水神様が見えた……。