テカテカと光る飴のコーティングが大きな月明かりで輝いている。


どんどんどんどん近づいてくる祭りに、私は一歩を動けない。


小さな女の子が私の足元を駆け抜けた。


手にはヨーヨーと綿飴。


それを目で追っていると、女の子に群がるようにして水神様が寄ってきた。


1人じゃない。


水神様はわんさかいる。


小さな手足のついた水神様は少女の体を這い登っていき、あっという間に多い尽くす。


「あぁっ! ヨーヨーだわ! ヨーヨーを持っているからだわ!」


ヨーヨーの中には水が入っているのだと、昔の書物で読んだ事がある。


無駄な水。


無駄な水。