◆◇◆◇
五年の歳月が流れた今も、葵はあの苦い初恋をはっきりと憶えていた。
「まあ、今となってはそれもいい想い出かもね」
葵はヒマワリに話しかけるように呟く。
陽太が引っ越してから、しばらくの間は手紙のやり取りをしていた。
しかし、時が経つにつれ、どちらからともなく手紙が途絶えてしまった。
やはり、どんなに子供の頃に仲良くしていたとしても、距離という壁はあまりにも大きかった。
だが、あの頃のような〈淋しい〉とか〈苦しい〉といった感情はなくなっている。
「せめて、来年もこの子達が元気でいるように」
葵は願いを籠めるように、そっと彼らを撫でた。
[あなただけを見つめる-End]
五年の歳月が流れた今も、葵はあの苦い初恋をはっきりと憶えていた。
「まあ、今となってはそれもいい想い出かもね」
葵はヒマワリに話しかけるように呟く。
陽太が引っ越してから、しばらくの間は手紙のやり取りをしていた。
しかし、時が経つにつれ、どちらからともなく手紙が途絶えてしまった。
やはり、どんなに子供の頃に仲良くしていたとしても、距離という壁はあまりにも大きかった。
だが、あの頃のような〈淋しい〉とか〈苦しい〉といった感情はなくなっている。
「せめて、来年もこの子達が元気でいるように」
葵は願いを籠めるように、そっと彼らを撫でた。
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