『葵ちゃんへ

 手紙なんて改めて書くことなんてなかったから、もしかしたらビックリしているかもね。
 でも、口にするのはあまりにもむずかしいから、こうして手紙を書こうと考えました。

 葵ちゃん、僕はずっと、葵ちゃんが大好きでした。
 最初はお姉ちゃんとして。
 けど、大きくなってからは、ひとりの女の子として恋していました。
 葵ちゃんは、僕と違ってしっかりしてるし、ケンカも強い。
 そして、とっても優しくて、実は誰よりも女の子らしいというのも僕はよく知っています。

 僕に突然告白されて、葵ちゃんはきっと困ってるよね?
 でも、どうしても葵ちゃんに僕の気持ちを知ってもらいたかった。
 気持ちを隠したままじゃ、僕はいつまでも成長出来ないような気がしていたから。

 あと、これを言ったらもっと迷惑だと思われちゃうかもしれないけど……
 僕はどこにいても、どんなことがあっても、葵ちゃんだけを見つめています……って、ちょっとこれは怖いかな?
 それじゃ、言い方を変えるね。
 葵ちゃんには、あの時植えたヒマワリを僕の分身だと思って……って言うのも同じか……。
 とにかく、僕は葵ちゃんをこれからも忘れることはないと思います。
 葵ちゃんは、僕にとって太陽だったから。

 最後に、ふたりで育てたヒマワリ、これからも大切にしてくれたらうれしいです。
 来年も、再来年も、そして10年後も、ずっと花を咲かせられるように……。

 それじゃあ、そろそろこの辺で。
 また、手紙を書くね。

 陽太より』