陽太の一家が去ってから、葵は自分の家に戻り、自室へと入った。

「すっごく恥ずかしいけど……」

 葵はひとりごちると、封筒から写真を取り出した。

 中に入っていたのは、全部で十枚。
 陽太と並んで撮ったものが主だが、中には葵だけが被写体になっているものもあった。

「うーん……、でもやっぱ、陽太の方が絶対可愛いよなあ……」

 葵はそう言いながら、写真を封筒に戻そうとしたが、ふと、封筒の中から紙らしきものが入っているのに気付いた。

「なんだろ?」

 葵は首を傾げつつ、中の紙を取り出す。
 それは四つ折りに畳まれており、開いてみると、中からボールペンで書かれた文字が現れた。
 どうやら、葵宛ての手紙のようである。
 葵は黙ってそれに目を通し始めた。