庭先のヒマワリ達は今年も夏の陽光を浴びて大輪の花を咲かせた。

 自分よりも少し背の高い花達を順々に見つめながら、葵(あおい)は口元に小さな笑みを浮かべる。

 気が付けば、あれから五年の歳月が流れていた。
 あの頃のことはつい最近のように思っていたから、時の流れは本当に早いものだと、葵は改めて感じた。

「この時季になると、イヤでもあいつの顔が頭ん中に浮かんじゃうよ」

 葵は苦笑を交えながら呟くと、過ぎ去った過去に想いを馳せた。