「あの、なに……?」
ぼくのフリーズしていた思考力が戻り、やっと言葉が口をついて出た。
彼女はぼくの腕をつかんだまま
大学生協入り口に設置してあるATMに連れて行った。
「わたし、こういう機械苦手で……」
「使い方?」
「はい、あの、使ったことがなくて」
ぼくは驚いた。
ATMをこの歳になるまで使ったことがないなんて……そんなことあるか?
「あの、ここにカード入れて…」
「あ、ここに入れるんだ」
彼女はふわふわとした柔らかな笑みを浮かべた。
しかしATMは「カードを入れ直してください」とアナウンスし、カードを吐き出した。
「あれ?おかしいな」
彼女はもう一度カードを入れ直した。
しかしATMはまたもや同じアナウンスをしてカードを吐き出した。
彼女は助けを求めるような目で、ぼくを見た。
「ちょっと貸して」
今度はぼくが入れてみた。
やはりATMはカードを吐き出すだけだった。
手に持ったカードを見て、ぼくは大事なことに気がついた。
「あの、これさ……」
彼女の大きな目が不思議そうに、ぼくを見つめた。
「ゆめシティのポイントカード」
「え?」
彼女はカードをぼくから奪い返すと、カードを裏表にしながらしげしげと見た。
「ダメなんですか?」
「え?いや、クレジット機能付きなら大丈夫だけど、これただのポイントカードだから」
彼女はぼくの言ってる意味がわからないのか、尚も不思議そうにカードを裏表にして見ていた。
ポイントカードで本当にATMからお金が降ろせると思っているのか……?
彼女のあまりの世間知らずぶりに、ぼくは驚いていた。
「あの、他のカードないの?」
彼女はあっ!と言って、思い出したかのように小さな四つ折りの財布を開いた。
ぼくのフリーズしていた思考力が戻り、やっと言葉が口をついて出た。
彼女はぼくの腕をつかんだまま
大学生協入り口に設置してあるATMに連れて行った。
「わたし、こういう機械苦手で……」
「使い方?」
「はい、あの、使ったことがなくて」
ぼくは驚いた。
ATMをこの歳になるまで使ったことがないなんて……そんなことあるか?
「あの、ここにカード入れて…」
「あ、ここに入れるんだ」
彼女はふわふわとした柔らかな笑みを浮かべた。
しかしATMは「カードを入れ直してください」とアナウンスし、カードを吐き出した。
「あれ?おかしいな」
彼女はもう一度カードを入れ直した。
しかしATMはまたもや同じアナウンスをしてカードを吐き出した。
彼女は助けを求めるような目で、ぼくを見た。
「ちょっと貸して」
今度はぼくが入れてみた。
やはりATMはカードを吐き出すだけだった。
手に持ったカードを見て、ぼくは大事なことに気がついた。
「あの、これさ……」
彼女の大きな目が不思議そうに、ぼくを見つめた。
「ゆめシティのポイントカード」
「え?」
彼女はカードをぼくから奪い返すと、カードを裏表にしながらしげしげと見た。
「ダメなんですか?」
「え?いや、クレジット機能付きなら大丈夫だけど、これただのポイントカードだから」
彼女はぼくの言ってる意味がわからないのか、尚も不思議そうにカードを裏表にして見ていた。
ポイントカードで本当にATMからお金が降ろせると思っているのか……?
彼女のあまりの世間知らずぶりに、ぼくは驚いていた。
「あの、他のカードないの?」
彼女はあっ!と言って、思い出したかのように小さな四つ折りの財布を開いた。
