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青春恋愛

あらすじ
梨花子は小さな時から臆病で引っ込み思案だったが、中学で始めたトランペットを吹いている時は違う自分でいられた。はっきりと意見が言えて、それが嬉しくて人の気持ちを考えることを疎かにしていた。そんな中ソロで失敗してしまい、皆から疎まれていたことをやっと理解し自己嫌悪に陥り、怖くて楽器が吹けなくなる。そして元の自分に戻ってしまった。
梨花子は幼馴染みの海里がずっと好きだったのだが、海里は高校の入学式で見た先輩のことを好きになる。その先輩は完璧で、勝てる所が何も無かった。そばにいるためには良い幼馴染みでいるしかないと想いを秘めることに決める。
梨花子は中学の時の吹部のメンバーやかつての親友に再会し、少しずつ自分を肯定できるようになっていく。
過去と決別し、好きになれた自分で想いを伝える。その告白とソロが海里の心を動かし、本心に気づかせる。
梨花子は中途半端で息苦しい十代の自分達には“ちゃんと”呼吸をすることが必要だと理解するのだった。(418文字)