「……芸風や発言が一見おバカキャラなのに、実は高学歴のお笑い芸人とかっているじゃん。俺、ああいうの嫌いなんだよね。ちょっと裏切られた感があるというか」
一階の生徒玄関前の掲示板の前には、多くの生徒達で賑わっていて、俺達もその中に混じり、順位表を見ていると、隣に立つコーヤが突然、そんな謎の発言をしてきた。
「どういうこと?」
「……達樹って、勉強出来たんだ」
「え?」
「てっきり同類だと思ってたのに、二十四位じゃん!」
掲示板を指差し、泣きそうな顔で怒ってくるコーヤ。
大きな掲示板いっぱいに貼り出された順位表には、学年生徒約二百人中、上位百人の名前が載っている。
長尾 達樹、二十四位。
上には上が当然いるが、俺的には思っていたよりも良い順位だった。
「……つまりお前は俺のことを、発言的におバカキャラだと思っていたということか?」
「うん」
「うんじゃねえよ!」