「じゃあ、しっかり反省するよーに」

階段を上りきったところで、先生の様なな口調でそう言ってみた。


「俺、男子部屋戻るけど、律は?」

《うん……市川さんが花火から戻ってきたら、ちゃんと話さなきゃとは思うけど……》


でも、今はまだ一人になりたくない……と律は言った。



「じゃあ付き合うよ。どうせ俺も、今部屋に戻っても一人で暇だし」

《じゃあ、男子部屋連れてってよ。二人きりになろ》

「なっ、何、馬鹿なこと……っ!」

《この程度の冗談で何を狼狽てんのよ》


あ、ああ、冗談か……。
まあ普通に考えてそうだよな。
真面目に捉えてしまって恥ずかしい……。


……でも、仕方ないだろ。俺は女の子と付き合ったことないし、ましてや相手が……律なんだから、



……これが恋愛感情なのかどうかは、分からない。
だけど俺にとって律は、特別な存在なんだから。




その後、施設の中を適当にふらつきながら、律と過ごした。


と言っても、十分くらいでクラスメイト達が施設に戻ってきたから、そのタイミングで律とも別れた。



男子部屋に戻ってからは、女子部屋の様子なんて当然分からない。テレパシーもとっくに切れている。携帯は、キャンプ中は不必要とか言われて先生が回収してるし。

もどかしい。歯がゆい。
でもそんな態度を顔に出したら、コーヤと尚也からまた〝過保護〟って言われるんだろうな。


結局その夜は、律の様子が気になって、あまり寝られなかった。