学習室の電気を消して、廊下に出た。
ロビーはさっきと同じく薄暗い。
クラスの奴らはまだ花火をしているだろうし、他のクラスの人達は、こっそり外で遊んでいる人もいるかもしれないが、基本的には部屋にいなくてはいけない時間だから、ロビーや廊下には誰の気配もない。
部屋を出て、ロビー脇の階段を上がって部屋に向かう……が。
その間も、律は俺と目を決して合わさず、難しい顔をしている。
「おい、まだ機嫌悪くしてるのかよ」
そう尋ねても、やっぱりこっちを見ない。何のリアクションもない。
「……仕方ないだろ。確かに市川さんがお前にしたことは俺だってかなりムカついたけど、だからって手を出していい理由にはならないだろ」
「……」
「聞いてる?」
「……」
「こっち向けって」
俺は足を止めて、手を伸ばした。
左隣を歩いていた律の右手を強引に掴むと、キーンという音が響き、テレパシーが発動する。
ロビーはさっきと同じく薄暗い。
クラスの奴らはまだ花火をしているだろうし、他のクラスの人達は、こっそり外で遊んでいる人もいるかもしれないが、基本的には部屋にいなくてはいけない時間だから、ロビーや廊下には誰の気配もない。
部屋を出て、ロビー脇の階段を上がって部屋に向かう……が。
その間も、律は俺と目を決して合わさず、難しい顔をしている。
「おい、まだ機嫌悪くしてるのかよ」
そう尋ねても、やっぱりこっちを見ない。何のリアクションもない。
「……仕方ないだろ。確かに市川さんがお前にしたことは俺だってかなりムカついたけど、だからって手を出していい理由にはならないだろ」
「……」
「聞いてる?」
「……」
「こっち向けって」
俺は足を止めて、手を伸ばした。
左隣を歩いていた律の右手を強引に掴むと、キーンという音が響き、テレパシーが発動する。