女子部屋は三階だったな、と思いながら廊下を歩いていると、一階奥の流し台の方から水音が聞こえてきた。
おかしいな。ロビーは電気が消えているのに、あそこだけまだ明かりが点いてる。
誰かいるのか?
不思議に思いながら音がする方へ近付いていった俺は、驚愕して目を見開く。
「律!?」
そこには、律が一人で大量の食器を洗ってる姿があった。
「な、何やってんだよ! 具合は!? ていうかこれ今日の夕飯の食器か!? 何で律が一人で洗ってんだよ!」
思わず質問攻めにしてしまった為に、律も困惑の表情を浮かべた。
俺は律の手をバッも握った。例のキーンという音が頭に響く。
《……押し付けられたのよ》
テレパシーで聞こえてきたのは、律の不機嫌そうな声。そして、信じ難い言葉だった。