「ああ……」

確かにそうだよな。俺も、律に女子の友達が増えてほしいって思ったばかりじゃないか。それなのに、俺が律にべったりしていたら、女友達作る時間なんてないよな。
男の俺が律に気を配ってやれる範囲には、どうしても限りもあるし。

せっかく、市川さんと村田さんが律に対して友好的っぽいしな。


「分かった。とりあえずキャンプ中は過保護にならないようにする」

「やっぱ過保護って自覚あるんだ」

「お前に合わせただけだ」

コーヤの茶化は流し、俺も自分の荷物を持った。


「じゃあな、律。女子部屋で皆と仲良くな」

そう言って律に手を振ると、コーヤから「だから、そういうのがお母さんみたいなんだって」と突っ込まれる。


そんな俺に、律も手を振り返してくれた。