二週間後、学年キャンプの日がやってきた。

学年キャンプは、別名・一年生の交流キャンプとも言うらしい。

四月に入学した新入生約二百人。
クラスごとにバスに乗り、山や川に囲まれている、隣県にある学校の保有宿泊施設施設に移動。

要するに、大自然の中で三泊四日、勉強やイベントや自炊等を通し、クラスメイトだけではなく学年全体で交流を深めよう、という趣旨の下で毎年行われている行事らしい。


同じ高校の卒業生の姉によると、施設は特に綺麗ではないし、虫も大量に出るが、友達は一気に増えるから案外楽しい行事、とのことだった。

それから、このキャンプをきっかけに付き合い出す男女が意外と多いらしい……って、そんな情報は、俺には関係ないけども。

この間、市川さんは〝キャンプダルい〟みたいなこと言っていたけど、俺は元々アウトドア好きなのもあり、普通に楽しみだ。

あまりに分かりやすくワクワクしていたら、コーヤと尚也に「子供だねぇ」なんて馬鹿にされてしまったけれど。


そう言えば、律からも昨日【キャンプ楽しみだね。】というメッセージが来ていた。

律がそう思っていることが、嬉しかった。

最近は、教室でも市川さんと村田さんと仲良さそうにしているところをよく見掛けるし、このキャンプをきっかけに、他の女子達とも仲良くなってほしい。
律に直接そう伝えることはしなかったけれど、真剣にそう思ってる。