ーーヤバい。

律に恋してる訳じゃない。
律は仲の良い友達だ。
だけどこの笑顔には……正直、ドキッとしてしまった。


最近は律の笑顔を見る回数も増えていたものの、こんな笑顔は中学時代にも見たことなかったかもしれない。


「じゃ、じゃあそういうことで!」

言い捨てるようにして、サッと律に背を向けて自分の席へと戻った。

顔が熱い。
多分、耳まで赤くなってる。
すぐ後ろ向いたし、バレてないよな……?




――私と同じ班になったら、キャンプ楽しめなくなっちゃうかもしれないよ?


今になって、律がさっき伝えてきたメッセージの意味が、ようやく分かった気がした。

キャンプの三日間、声が出ない自分と一緒に行動を共にすることに、引け目を感じているんだと思う。
迷惑掛けるんじゃないか、足手纏いになるんじゃないか、思い出作りの邪魔になるんじゃないか……とか?


……バカだな。

変に気遣うなよ。そんなこと思ってねーんだから。