律は無言のまま、やや俯きがちに立っているだけで、何も言わない。
クラスメイト達が、不思議そうに律を見つめる。

すぐに、担任が口を開いた。


「彼女は、西條中学校出身の、永倉 律さんだ。彼女は……



声を出すことが、出来ない」