「いいじゃんいいじゃん! その方が絶対いいよ〜! なっ、達樹!」

「えっ、あっ⁉︎」

急に話を振られ、思わず動揺してしまう。俺はコーヤみたいに素直に〝うん、かわいい〟なんて言える純粋な性格ではない。

だけど、嬉しかった。
声が出なくなってから、律はオシャレをほとんどしなくなった。
何となく、それは律の気持ちの暗さを表しているように思えていたから、今こうして、化粧してスカート丈の短い律を見れていることは本当に嬉しい。


「ま、まあ、律らしいんじゃないの?」

……気の利かない、そんな一言しか言えなかったけれど。

その後、コーヤと律と三人で教室へと向かった。