《だって、達樹君に呼び止められたから》
《呼び止めてねえ!》
距離があるので、今度は俺もテレパシーで返事をした。はたから見たら、別れ際に見つめ合ってる変な高校生達に見られているかもしれないけれど。
《何だよ。面と向かって言うのが恥ずかしかったからテレパシー使ったのに、これじゃあ意味ないじゃん》
俺の文句に対し、律は冷静に《まあ、それはそうね》と返してきた。
でも。
《私もすっごく楽しかった!》
そう伝えてくる律の笑顔は、夕陽に照らされ、とても綺麗に見えた……。
ーー奇跡なんて、俺はまともに信じたことはないけれど。
でも、もしかしたらこの能力は奇跡なのかもしれない。
テレパシーという、奇跡的な超能力を使っているという意味もあるけど、何より……
この能力のおかげで、律とまた笑い合えるようになったから。
そういう意味でも、奇跡的な力だと思う。
テレパシーが使えるようになったきっかけが気にならないわけじゃない。
だけど今は、この能力のお陰で律とまた話せるようになったという事実に、心から感謝したい。
それから、今日はっきりと分かったことが、一つだけある。
俺、やっぱり。
律の笑った顔が好きだなぁ。
いつの間にか、信号は青に変わり、だけど気付いた時にはまた赤になってしまった。
もう一度青に変わってから、今度こそ律と別れた……お互いに手を振って。
《呼び止めてねえ!》
距離があるので、今度は俺もテレパシーで返事をした。はたから見たら、別れ際に見つめ合ってる変な高校生達に見られているかもしれないけれど。
《何だよ。面と向かって言うのが恥ずかしかったからテレパシー使ったのに、これじゃあ意味ないじゃん》
俺の文句に対し、律は冷静に《まあ、それはそうね》と返してきた。
でも。
《私もすっごく楽しかった!》
そう伝えてくる律の笑顔は、夕陽に照らされ、とても綺麗に見えた……。
ーー奇跡なんて、俺はまともに信じたことはないけれど。
でも、もしかしたらこの能力は奇跡なのかもしれない。
テレパシーという、奇跡的な超能力を使っているという意味もあるけど、何より……
この能力のおかげで、律とまた笑い合えるようになったから。
そういう意味でも、奇跡的な力だと思う。
テレパシーが使えるようになったきっかけが気にならないわけじゃない。
だけど今は、この能力のお陰で律とまた話せるようになったという事実に、心から感謝したい。
それから、今日はっきりと分かったことが、一つだけある。
俺、やっぱり。
律の笑った顔が好きだなぁ。
いつの間にか、信号は青に変わり、だけど気付いた時にはまた赤になってしまった。
もう一度青に変わってから、今度こそ律と別れた……お互いに手を振って。