信号が、思ったよりも長い。長く感じているだけかもしれないけれど。

チラッ、と振り返って、律の姿を探そうとした。
もうとっくに姿は見えなくなっている頃だろう……と思ったのだけれど。



「ちょっ、何でまだいるんだよ!」

思わず、テレパシーではなく地の声が出た。

どういうわけだか、律は帰るどころか、さっき別れた場所から数メートル先の地点で足を止め、俺に振り返っていた……にこにこと楽しそうに笑いながら。