するとコーヤが、目元の涙を人差し指で拭いながら。


「あー、笑った! 珍しいじゃん、達樹がそんな面白いこと言うの! ていうか初めて?」


確かに、高校に入学してから人を笑わせようとしたのは初めてだった。
でも、楽しそうに笑ってくれるコーヤと尚也を見て、俺も自然と笑えてくる。


そんな俺に、コーヤが言う。

「あ、達樹ってそんな風にも笑うんだ!」

「え?」

「うん。そっちの方が絶対いいよ!」


コーヤに続き尚也も、

「俺も、今みたいな達樹の方がいいと思う」

優しい口調でそう言ってくれて。

やっぱり二人は良い奴だ。
そしてこの二人と、これからはありのままの自分で接していこう。

テレパシーのこととか、これから考えなきゃいけないことはたくさんあるけど……こんな晴れやかな気持ちは凄く久し振りだった。


こんな気持ちになれたのは、律のお陰だ。