律に視線を向けると、凄く幸せそうな顔で笑っていた。


俺の視線に気が付いた律は、俺に手話で伝えてくる。



〝こんなに楽しく生きていられるのは、達樹君のお陰だよ。ありがとう〟



ーー俺だって、律がいるから毎日が楽しい。幸せだ。




ーーテレパシーなんかなくても。

隣にいれば、想いはいつでも伝え合える。



……だけど。

あの夏に神様がくれたであろう〝奇跡〟は、俺はずっと忘れない。



奇跡は驚くものじゃない。

これからも前に進んでいく為の力だ。




神様からの奇跡に触れた君が、これからも満開の笑顔でいてくれますように。





End