唇を離し、しばらく見つめ合う時間が続く。

キス以上にーーこの時間自体が、今まで会えなかった寂しさを埋めてくれるような気がした。



「律」

もう一度名前を呼んで、もう一度律に顔を近付けた、その時。



「永倉さーん!」

俺の後ろから突然コーヤの声が聞こえて、俺は脱力してずるりと体勢を崩した。

振り返ると、体育館の方から出てきたコーヤは右手をブンブンと振りながら俺達に駆け寄ってくる。



「帰ってきてたのー? 連絡くらいしてよー!」

いつもの人懐っこい笑顔で、律の両手をギュッと握りながらそう言うコーヤに、律も笑顔を返す。


その後、尚也と千花もこちらへ集まってきた。
特に千花は、律との再会に涙目になる程、喜んでいた。