この声、聞こえますか?

駅に到着すると、庄田さんはにっこりと笑う。

「じゃあな、達樹君、律ちゃん。また会おうぜ」

奇跡を共有した者同士な、と付け足して、また笑った。


「はい、絶対また会いましょうね!」

俺がそう言うと、律も俺の隣で頭を下げた。



庄田さんが帰っていき、俺と律も改札を抜けてホームに出ようとした……しかし。


【お客様にご案内申し上げます……】


構内にアナウンスが流れる。

何と、列車の設備不良で電車が遅れており、次に電車が来るのは二十二時近く予定とのことだった。