ようやく安心したのか、律は顔を上げ、笑顔を見せる。
俺はそんな律に寄り添い、頭を撫でた。
「でも、じゃあこの不思議な力は一体……」
俺が思わずそう呟くと、綾さんの小さな笑い声が聞こえた気がした。
《きっと、あの神社の神様が、言葉を話せない私とあなたに、チャンスをくれたんだわ》
あなた、と言われ、律が《私?》と聞き返すと。
《私、病院からずっと祈ってたから。ふたつ祈りの神様、私は病気を治してきっとあなたのところへ行きます。
奇跡が起きて、病気がちゃんと治って、自分の未来に自信が持てたら……海くんに『好き』って伝えられますように、って》
結局病気は治らなかったけれど、何度も何度もそう祈ったと、綾さんは言った。
そして、
《あなたも、そうだったんじゃない?》
と、律に聞く。
俺はそんな律に寄り添い、頭を撫でた。
「でも、じゃあこの不思議な力は一体……」
俺が思わずそう呟くと、綾さんの小さな笑い声が聞こえた気がした。
《きっと、あの神社の神様が、言葉を話せない私とあなたに、チャンスをくれたんだわ》
あなた、と言われ、律が《私?》と聞き返すと。
《私、病院からずっと祈ってたから。ふたつ祈りの神様、私は病気を治してきっとあなたのところへ行きます。
奇跡が起きて、病気がちゃんと治って、自分の未来に自信が持てたら……海くんに『好き』って伝えられますように、って》
結局病気は治らなかったけれど、何度も何度もそう祈ったと、綾さんは言った。
そして、
《あなたも、そうだったんじゃない?》
と、律に聞く。

