俺と律は、テレパシーで会話することが出来る。
このテレパシー能力に、庄田さんと綾さんがもし関係しているとしたら。
……この二人も、ひょっとしたら……と。
俺はほぼ無意識に、庄田さんに振り向き、彼の右手を掴んだ。
突然のことに、戸惑う庄田さんの手を、そのまま引っ張り、
綾さんのお墓に、触れさせた。
「た、達樹君? 一体何を……んっ?」
庄田さんが、目を細めて、左手で頭を抑える。
これは、もしかしたら。
「庄田さん、頭の中で、変な音聞こえませんか?」
そう尋ねると、庄田さんは表情を変えないままで、
「何か、キーンって音が頭の中で急に響いてきて……」
と答えたのだった。
俺は確信した。
「庄田さん! それ、テレパシーが発動してるんですよ!」
場所も忘れて思わず叫んでしまう俺に、庄田さんは頭を押さえたまま「え?」と短い返事を返す。
「本当です! テレパシーが使える間は、頭の中でそういう音が響いてるんです! だから今、庄田さんは綾さんと……」
そこまで言いかけて、ハッと口を噤む。
興奮しすぎて、思ったことをどんどん口にしてしまっていたけれど。
……綾さんは亡くなっているのに、テレパシーなんて本当に出来るのか?
何も考えずに、凄く失礼なことを言ってしまった気がする。
だけど、庄田さんは……。
「綾に、話し掛ければいいのか?」
そう言って「綾」と、その名前を呼んだ。
すると……。
「……綾?」
庄田さんの表情と声色が、突然変わった。
このテレパシー能力に、庄田さんと綾さんがもし関係しているとしたら。
……この二人も、ひょっとしたら……と。
俺はほぼ無意識に、庄田さんに振り向き、彼の右手を掴んだ。
突然のことに、戸惑う庄田さんの手を、そのまま引っ張り、
綾さんのお墓に、触れさせた。
「た、達樹君? 一体何を……んっ?」
庄田さんが、目を細めて、左手で頭を抑える。
これは、もしかしたら。
「庄田さん、頭の中で、変な音聞こえませんか?」
そう尋ねると、庄田さんは表情を変えないままで、
「何か、キーンって音が頭の中で急に響いてきて……」
と答えたのだった。
俺は確信した。
「庄田さん! それ、テレパシーが発動してるんですよ!」
場所も忘れて思わず叫んでしまう俺に、庄田さんは頭を押さえたまま「え?」と短い返事を返す。
「本当です! テレパシーが使える間は、頭の中でそういう音が響いてるんです! だから今、庄田さんは綾さんと……」
そこまで言いかけて、ハッと口を噤む。
興奮しすぎて、思ったことをどんどん口にしてしまっていたけれど。
……綾さんは亡くなっているのに、テレパシーなんて本当に出来るのか?
何も考えずに、凄く失礼なことを言ってしまった気がする。
だけど、庄田さんは……。
「綾に、話し掛ければいいのか?」
そう言って「綾」と、その名前を呼んだ。
すると……。
「……綾?」
庄田さんの表情と声色が、突然変わった。

