この声、聞こえますか?

「お、俺はその……さっき庄田さんから声を掛けられて、その、ふたつ祈りが」

いや。これはさっき庄田さんが報告してくれてただろ。
俺が言うべきことは、こんなことじゃなくて。


多分、庄田さんが俺に望んでいることは、綾さんに挨拶すること。きっとそれだけでいい。


だけど、俺は。



いくつか重なるこの偶然が、もしただの偶然じゃないとしたら。

全部が繋がった先にある、特別な奇跡だったとしたなら。


そう思わずにはいられなくてーー



「……俺と律にテレパシー能力をくれたのは、綾さんですか?」



そんなことを、聞いてしまった。