「……え?」
庄田さんは足を止めて、目を見開く。
何を馬鹿なことを言ってるんだろうと思われているに違いない。
こんな話、あっさりと信じる人、まずいない。
何の相談もなくテレパシー能力について打ち明けてしまったのは律にも申し訳ないと思ったが、言わずにはいられなかった。
「本当です。手と手が触れ合うと、十分間だけ心の中で律と会話が出来るんです。心の中を読むことは出来ないんですが、声が出なくても会話が出来るんです」
「えーと……? いや、突然そんなこと言われても……」
庄田さんは明らかに戸惑っていて、言葉に詰まっている様子だ。
からかっていると思われたとしても無理はない。

