この声、聞こえますか?

「律、本当にごめん」

今更謝ったところで許されることではないけれどーー謝らずにはいられなかった。


律は、静かに首を横に振った。怒ってはいない、と俺に伝えるかのように。



「もしかして、それでふたつ祈りの言い伝えの噂を流したのか? その……友達の興味を引く為に》

その話題に友達が食い付いてくれたら、律も友達の輪から外れないだろう。



《……そうだね。それもあるし……》

「他にも何かあるのか?」


《……達樹君とも、また話がしたかった》

「え……?」



《達樹君と、また仲良く話すきっかけが欲しかった》


……俺と、また仲良く話すきっかけ……。


あの頃の律が、そんな風に考えてくれていたなんて俺は知らなかった。



《結局、自分で思っていたよりも、友達はふたつ祈りの噂に食い付いてくれて。だけど、私は友達を騙してる訳だから、皆がそのふたつ祈りの噂で盛り上がれば盛り上がる程、罪悪感が膨らんでいった》

「……仕方ないよ。律だっていっぱいいっぱいだったんだから」

《でも、その話がまさかSNSで広まっていたなんて知らなかった。

そのせいで……



庄田さんと綾さんの最後の思い出が、私が吐いた嘘になってしまった。私の身勝手な嘘に……》