「大丈夫だよ。そんな風に思い詰める必要、ないよ」
《私だってそう思いたい。だけど、そんなことばっかり考えちゃうんだよ》
頭に響いてくる律の声が震えている気がした。
直接声を発している訳ではないから、声が震えているように感じたのは、俺の気のせいなのかもしれないけれど。
《……それまで友達関係で悩んだことなんてなかったから、余計にどうしたらいいのか分からなかった。家族には、これ以上心配も迷惑も掛けたくなくて相談出来なかった。先生に相談したら親に連絡がいってしまう気がして、それも言えなかった。だから、話を聞いてもらおうとしたのに》
誰に? と聞いてからハッとする。
俺の声も、震えていた。これは、気のせいなんかじゃなく、間違いなく震えていた。
律は俺の質問には答えなかった。
でも、律が気まずそうに視線を逸らしたから、その相手はーー俺だったのだと分かる。
俺が律を無視してしまったあの日。
律は俺に、そんな大事なことを相談しようとしてくれていたんだ。
《私だってそう思いたい。だけど、そんなことばっかり考えちゃうんだよ》
頭に響いてくる律の声が震えている気がした。
直接声を発している訳ではないから、声が震えているように感じたのは、俺の気のせいなのかもしれないけれど。
《……それまで友達関係で悩んだことなんてなかったから、余計にどうしたらいいのか分からなかった。家族には、これ以上心配も迷惑も掛けたくなくて相談出来なかった。先生に相談したら親に連絡がいってしまう気がして、それも言えなかった。だから、話を聞いてもらおうとしたのに》
誰に? と聞いてからハッとする。
俺の声も、震えていた。これは、気のせいなんかじゃなく、間違いなく震えていた。
律は俺の質問には答えなかった。
でも、律が気まずそうに視線を逸らしたから、その相手はーー俺だったのだと分かる。
俺が律を無視してしまったあの日。
律は俺に、そんな大事なことを相談しようとしてくれていたんだ。

