そして。
《ふたつ祈りの言い伝えは、デタラメなんだよ》
……と、分かり切っていることを言う。
「いや、知ってるよ。二人で神社に行った時に神主さんがそう言ってたじゃん。ていうかさっきも、庄田さんにその話、したじゃん」
《そうじゃないんだよ……》
「どういう意味?」
すると律は、肩を震わせ、いかにも崩れてしまいそうになりながらーー
《あれは……私が流した嘘なの》
「……え?」
予想外の言葉に、俺は言葉を失い、ただ律の顔を見つめることしか出来ない。
《達樹君を、ずっと騙してた。言おうかなって思ったこともあったけど、言えなかった。きっとバレないし、言わなくてもいいやって正直思ってもいた。でもまさか、庄田さんが、綾さんが……》
「律……」
《私の嘘なんかを、最後の約束にしてしまったなんて……! どうしよう、私……!》
「……お、落ち着け。とりあえず、庄田さんに連絡するよ。今、あの人も律を探してくれてるんだ」
俺は律にそう言ってから、さっき教えてもらったあの人の電話番号に連絡した。
電話越しの庄田さんの呼吸は少し荒れていて、あの人も走って律のことを探してくれてたんだと分かる。
《ふたつ祈りの言い伝えは、デタラメなんだよ》
……と、分かり切っていることを言う。
「いや、知ってるよ。二人で神社に行った時に神主さんがそう言ってたじゃん。ていうかさっきも、庄田さんにその話、したじゃん」
《そうじゃないんだよ……》
「どういう意味?」
すると律は、肩を震わせ、いかにも崩れてしまいそうになりながらーー
《あれは……私が流した嘘なの》
「……え?」
予想外の言葉に、俺は言葉を失い、ただ律の顔を見つめることしか出来ない。
《達樹君を、ずっと騙してた。言おうかなって思ったこともあったけど、言えなかった。きっとバレないし、言わなくてもいいやって正直思ってもいた。でもまさか、庄田さんが、綾さんが……》
「律……」
《私の嘘なんかを、最後の約束にしてしまったなんて……! どうしよう、私……!》
「……お、落ち着け。とりあえず、庄田さんに連絡するよ。今、あの人も律を探してくれてるんだ」
俺は律にそう言ってから、さっき教えてもらったあの人の電話番号に連絡した。
電話越しの庄田さんの呼吸は少し荒れていて、あの人も走って律のことを探してくれてたんだと分かる。

