「そっか……。道理で、やけに大人しい子だなと思ったんだけど」
そう言って、庄田さんは上着のポケットから携帯を取り出し、
「俺も探す。見付かったら達樹君に連絡するから、電話番号かメッセージアプリのID教えて」
と言ってくれる。
庄田さんにお礼を伝えて連絡先を交換すると、俺達は別方向に走りだした。
ーー律は、基本的に分かりにくい奴ではないとは思う。
言葉は話せないけど、機嫌や態度は顔に出してくれるし、千花や村田さんに対しても、携帯の画面に文章を打ち込んで、自分の意見をいつもはっきりと伝えている。
だから、何で急にいなくなってしまったのか分からない。
体育祭の時にも似たようなことはあったけれど、あの時以上に、今回逃げ出した理由が分からない。
庄田さんの話を聞いていただけじゃないか。
どうすればいいのか分からない状況に困惑していると、視線の先に、不穏な光景が映った気がした。
近付くと、それは気のせいではなく、嫌な予感も的中した。
突き当たりの道の端で、三人組の柄の悪い大学生くらいの男達に、律が絡まれていた。
そう言って、庄田さんは上着のポケットから携帯を取り出し、
「俺も探す。見付かったら達樹君に連絡するから、電話番号かメッセージアプリのID教えて」
と言ってくれる。
庄田さんにお礼を伝えて連絡先を交換すると、俺達は別方向に走りだした。
ーー律は、基本的に分かりにくい奴ではないとは思う。
言葉は話せないけど、機嫌や態度は顔に出してくれるし、千花や村田さんに対しても、携帯の画面に文章を打ち込んで、自分の意見をいつもはっきりと伝えている。
だから、何で急にいなくなってしまったのか分からない。
体育祭の時にも似たようなことはあったけれど、あの時以上に、今回逃げ出した理由が分からない。
庄田さんの話を聞いていただけじゃないか。
どうすればいいのか分からない状況に困惑していると、視線の先に、不穏な光景が映った気がした。
近付くと、それは気のせいではなく、嫌な予感も的中した。
突き当たりの道の端で、三人組の柄の悪い大学生くらいの男達に、律が絡まれていた。