「デマってなると、これ以上調べても、天国の綾に報告出来ることは何もないのかな……」
「……実は俺も、ふたつ祈りについて調べたいと思っていたんです。今のところ収穫はないんですけど……」
「え? デマだって分かってるのに調べるの?」
「え、あ、その……」
「もしかして達樹君は、ふたつ祈りで奇跡を起こしたことがあるのかな?」
「え」
「はは。冗談」
……実際は、テレパシーという奇跡に近い能力が起きたのだけれど、それは言えない。
……いや、庄田さんならもしかして信じてくれるかもしれない……?
そう思って口を開き掛けた矢先、庄田さん律に視線を向けた。
「ごめんな、俺ばっかり話して。あれ? アイスティー、全然減ってないね」
これまで一度も言葉を発していない律に気を遣ってくれたのか、そう言って笑顔を向けてくれる。
俺と庄田さんは会話をしながら何度か飲み物に口を付けていたけれど、そう言えば律のアイスティーは全く減っていない。
「律?」
何故か、硬直したかのように動かない律。
不思議に思い律の顔を覗き込むと、律は真っ青な顔で泣きそうになっている。
「ど、どうした? 具合悪いのか?」
そう尋ねると、首をブンブンと横に振ったが、その直後、ガタンッと大きな音を立てて席を立つと、突然店から飛び出していってしまった。
「……実は俺も、ふたつ祈りについて調べたいと思っていたんです。今のところ収穫はないんですけど……」
「え? デマだって分かってるのに調べるの?」
「え、あ、その……」
「もしかして達樹君は、ふたつ祈りで奇跡を起こしたことがあるのかな?」
「え」
「はは。冗談」
……実際は、テレパシーという奇跡に近い能力が起きたのだけれど、それは言えない。
……いや、庄田さんならもしかして信じてくれるかもしれない……?
そう思って口を開き掛けた矢先、庄田さん律に視線を向けた。
「ごめんな、俺ばっかり話して。あれ? アイスティー、全然減ってないね」
これまで一度も言葉を発していない律に気を遣ってくれたのか、そう言って笑顔を向けてくれる。
俺と庄田さんは会話をしながら何度か飲み物に口を付けていたけれど、そう言えば律のアイスティーは全く減っていない。
「律?」
何故か、硬直したかのように動かない律。
不思議に思い律の顔を覗き込むと、律は真っ青な顔で泣きそうになっている。
「ど、どうした? 具合悪いのか?」
そう尋ねると、首をブンブンと横に振ったが、その直後、ガタンッと大きな音を立てて席を立つと、突然店から飛び出していってしまった。