「えっ……す、すみません、俺……!」

「ああ、いいのいいの、達樹君が謝ることじゃないよ。ていうか、これが本題」

「本題?」


すると庄田さんは、再び姿勢を正し、真剣な表情で俺と律の顔を交互に見やる。そして。



「君達に声を掛けたのは、聞きたいことがあったからなんだ。さっきさ、自販機の前で、ふたつ祈りがどうとか、言ってたじゃん」

「え……?」

「それについて、詳しく聞きたくて。それについて調べてるんだけど、詳しいことが全然分かっていなくて」


えっと……と言葉に詰まる。

何故、この人もふたつ祈りのことを調べているんだ?



「……すみません。俺達も詳しいことは何も知らなくて」

「……そうか」

「それに、ふたつ祈りの言い伝えは、誰かが流した嘘の噂だって、神主さんが言っていました」