「しょ、庄田さんはこの辺りに住んでいるんですか?」

話題を逸らす為もあったが、今度は俺の方から庄田さんに質問をする。
ちょうど店員が飲み物を三人分持ってきてくれて、コーヒーを一口含んだ後「ああ。そうだよ」と答える。


「大学がこの近くだからな。ボロいアパートで一人暮らししてる」

「そうなんですか」

「と言っても、しょっちゅう友達とか遊びに来るから、あんまり一人暮らしって感じもしないけどな」

「それは楽しそうですね。あ、庄田さんは彼女はいるんですか?」


特に深い意味はないが、友達が遊びに来るなら彼女も来るのかなって、雑談の流れで何となく聞いてみた。


すると……。



「大切な人ならいるよ。去年の夏に、死んじゃったけど」


という言葉が返ってきた。