《彼氏と遊園地デート。私、普通の高校生だなって》

「律が普通じゃないなんて思ってないよ。って、これ前にも言わなかったっけ?」

《そう思ってくれてることは分かってるよ。でも、普通じゃないのは事実だから。って、これも前に言わなかったっけ?》


きっと俺がいくら否定したって、律は自分のこ〝普通〟だとはなかなか言わないのかもしれない。

律は簡単に自分の意見を曲げないし、律にしか分からない葛藤もあるだろう。
だから、俺もそれについてはあえてそれ以上何も言わなかったけれど。


その代わりに。



「また来ようぜ。何度でも」


それは、俺がこの先もずっと律と一緒にいたいという勝手な願いでもあった。
だけど律はパァッとした笑顔で

「うん!」

と答えてくれたのだった。
その笑顔が見られるだけで、俺はどこまでも幸せな気持ちになる。




「さあ。今度こそほんとに帰ろうぜ」

そう言って立ち上がると、今度こそ律も一緒に腰を上げ、そして再び手を繋いだ。