改札を抜けて、ホームで電車を待っている最中、手は握ってもいいのか、握るべきなのか、握ると嫌がられるのか、ずっと考えていた。

俺としては勿論握りたいけれど、律に嫌がられたら元も子もない。


……と真剣に思い悩んでいると、


《デートだもんね》

俺の方が急に手を握られ、それと同時に律がテレパシーで話し掛けてきた。

あまりに突然握られたから、ドキドキというのり単純に驚いている。
時々思うけど、律の方がたまに男前だ。


せめてヘタレと思われないように、俺は律の手をギュッと強く握り直した。